コラム

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業務の生産性向上のためにすべきこと-必ずある業務改善箇所の見つけ方-その1:放置されがちなエクセルの問題を点検しよう

パソコン作業の様子

EXCELは便利。でも、利用範囲が広がると問題が出始める。

EXCELは大変便利なツールであり、大半の中小企業で利用されています。あなたの組織でもきっと使われていますよね?
はじめは、売上などのちょっとした集計や、顧客などの何らかの情報をリスト化するといったことから使いはじめることが多いでしょう。使っていくうちに、さらなる便利さに気づいて、利用範囲がどんどん広がっていく。大抵はこうなります。場合によっては、基幹業務化していることさえあります。
ところが、ある時点から、問題も現れ始めます。ファイルの数が膨大になって、参照したり編集したりするファイルを間違えたり、情報が多すぎて、開いたり編集したりするのが重くなったりなど。でも、この辺りはまだ、比較的分かりやすい問題といえるでしょう。

EXCELの弱点により、次第に業務がカオス状態になる。

大企業などでは「内部統制」の観点から、EXCELの利用は限定されるようになってきています。EXCEL自体は便利ではありますが、弱点も色々あり、そういった弱点が統制しにくさの原因となって、大企業では利用が制限されつつあるのです。
そもそも中小企業では、法律が求める内部統制は必要ありません。しかし、EXCELの活用が「統制不能」状態となってしまえば、業務がきちんと行われているのか、どこまで行われているのかなどについて、業務を行った本人以外が確認するのに手間がかかり、業務の効率が悪化します。また、確認をしなかったり手抜きをしたりすれば、今度は業務の品質が悪化してしまいます。
この「統制不能」となってしまう例のように、上記の問題に比べて対処が難しい、よりやっかいな状況に、EXCELを利用している多くの組織が陥っています。しかし、このような状況を問題と考える意識が低い、あるいは、どうしていいかわからずに、意外と放置されてしまっているのです。その結果、業務がカオス状態となり、業務の生産性を低下させてしまっているのです。

生産性を低下させる弱点とは

具体的には、EXCELのどんな弱点が原因となって、業務の生産性を低下させてしまうのでしょうか。

弱点1:EXCELは履歴管理が苦手

EXCELは履歴管理が苦手です。ファイル名を変えたり、シート名を変えたりして、変更前の版を保存する程度しかできません。変更した箇所を見つけるのも得意ではありません。

弱点2:EXCELはコピーして容易に派生版を作れてしまう

何かを追加したり、少し変えたりする時、既存のEXCELファイルをコピーして手を加えるということが良く行われています。簡単にできてしまうため、安易にコピーして、いつの間にか、似ているけどビミョーに異なるたくさんのEXCELファイルが出来上ってしまいます。

弱点3:EXCELは指定した書式や関数などを簡単に変更できてしまう

書式や関数などを手軽に指定できるのもEXCELのいいところ。でも、せっかく指定した書式や関数も、いとも簡単に変更できてしまいます。自分でさえ、関数を指定したことを忘れて、セルに直接、数値を入力してしまうことありますよね。他人が編集したものなら、なおさらやってしまいがちです。もちろん、ロックもできますが、変更したいときのロックの解除と再ロックが意外と面倒。はじめは数量x単価=金額であっていたのに、ある日、ふと、金額があってないことに気づいて青ざめる。こんな経験ありませんか?

これで分かる!業務の効率化や品質向上を妨げるEXCEL活用でのBADチョイス

生産性を低下させる原因を知ることも大事ですが、今、実際に、そのような状態に陥ってしまっているかどうかを知ることが、より重要です。気になる方は、以下のチェックリストに当てはめてみるとわかりますよ。もし、答えが“No”なら、EXCELの活用法におけるBADチョイスにはまっている可能性大です。きちんと確認すれば、生産性低下という悪影響がきっとあるはずです。

チェック1:他の人が作ったEXCELファイルを見て、どれか最新なのか、すぐに分かりますか?

もし、分からないなら、履歴管理が苦手なEXCELの弱点にはまってしまったBADチョイスの状態です。

チェック2:新しい仕事に取り掛かる時、どのEXCELファイルを使えばいいのか、迷うことなくすぐにわかりますか?

もし、迷うようなら、同じようなEXCELファイルが増殖していて、容易に派生版を作れてしまうEXCELの弱点にはまってしまったBADチョイスの状態です。

チェック3:書式や関数などは、もれなくきちんと保護され、値を直接入力しようとしたり、編集しようとしたりしても、受付けられないようになっていますか?

もし、なっていない、あるいは分からないなら、指定した書式や関数などを簡単に変更できてしまうEXCELの弱点にはまってしまうBADチョイスの状態です。

EXCELの厄介なところは、弱点があっても何らかの方法で対処できてしまうところです。よく見かけるのが、対処するうちにその方法が当たり前になってきて、業務の効率や品質を悪化させていることに気付かなくなるケースです。当然、生産性は、気づいて対処した場合に比べ低い状態です。EXCELで処理し続けるべきかの検討も必要になります。
気づいて改善するまで、ずっと生産低下による損失が累積されていくことになります。ご注意ください。

以上、EXCELの弱点がもたらす生産性の低下を中心にお話ししました。ここに示したことに心当たりがある方は、ぜひ、現状を再確認してみてください。そして、確認の結果、問題が発見されたなら、改善に取り組んでください。
でも、どう改善すればいいのか。これは、問題の深刻度、業務の重要度、組織の成熟度などによって異なり、残念ながら、一概には言えません。いずれ、また、機会を改めて。
とはいえ、EXCEL活用において、生産性低下をもたらすにもかかわらず、見落としてしまいがちな問題の発見には役立つはずですので、本コラムを皆様の業務改善のヒントとして活用して頂ければ幸いです。

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